勤怠管理と工数管理を同時にできるアプリを作ったワケ

  • 目次

 チーム・ポテンシャルは勤怠管理と工数管理が同時にできるアプリです。
これを実現した理由は、「リーダーがスキルアップ」できて「すべての社員にメリット」があって「利益につながる」アプリを作りたかったからです。
そんなアプリを作るために歩んだ道のりをご紹介します。

勤怠管理と工数管理はそれぞれ役割が違う

 勤怠管理と工数管理、一般社員としては普段あまり意識しませんよね。
これらの情報、会社の経営としてはとても大切な情報なんです。

 まず、勤怠管理では「社員がどれくらい働いたか」の情報が必要です。
これは、誰にどれくらいのお給料を払ったら良いかを計算するためです。

 そして、工数管理ではこのプロジェクト(案件)で「どんな作業にどれくらいの時間がかかったか」の情報が必要です。
それは、プロジェクトに対して、「人件費がどれくらいかかったか」を計算するためです。

 たとえば客先に請求する費用として請求するためにかかった人件費を計算する場合などですね。
そこに利益分をプラスして客先に請求するわけです。

 また、自社開発の場合はその開発でどれくらいの利益が見込めて、そこから人件費を引いて...なんて計算になります。

勤怠管理は給与や法律に関係している

 勤怠管理で必要なデータは、実は給与に関するものだけではありません。
法的に、この働き方はダメですよ、という基準があります。
法律を守って、正しく働かせていますよ、という実績を残す為にも大切な書類なのです。

工数管理は会社の利益を生み出すことに関係している

 工数管理で必要なデータは、「利益」に関する「人件費」の情報です。
前の例のように、プロジェクトにかった費用を客先に請求する場合、「どの作業に」どれくらいの時間がかかったかがわからないといけませんよね。勤怠管理のように、「誰が」「何時間かかった」だけでは足りないのです。

 「どの作業に」「何時間かかった」というデータが必要なのです。
ちなみに「誰が」(どんな人が)というデータはスキルによって人件費が変わる場合に重要な情報です。
 このように、工数管理で必要なデータは、会社の利益を生み出すために必要なデータなのです。

勤怠管理の情報が欲しい人

 勤怠管理の情報が欲しい人はどんな人か?
もうおわかりですよね、「給料を計算する人」と「給料を払う人」です。
給料を計算する人は事務員さん、給料を払う人は経営者です。

 あとは、社内の「労働を管理する人」ですね。労働上での法的な問題を生まないために皆さんの働きぶりを監督する人です。
会社によって役職は様々ですが、たとえば課長さんや部長さんといった所属長の方々ですね。

工数管理の情報が欲しい人

 工数管理の情報が欲しい人は、社内で「利益を求める人」です。
わかりすいのは課長さんや部長さんといった所属長の方々。
所属長は「受け持つ案件で黒字を出す」ことや「赤字を出さないこと」が役割なわけです。

 社員が気持ちよく働けるように、ということも大切ですが、それも(営利を目的とした組織である以上は)「利益を出す」ための手段の一つです。

 所属長は「利益を出す」ために、誰がどの作業にどれくらいの時間がかかったかというデータをもとに、分析したり予測を立てたりする必要があるのです。
 なお、経営者も所属長のトップとしてここに含められます。

勤怠管理の情報が欲しいタイミング

 勤怠管理の情報が欲しいのは、「給料を計算する人」でした。
では、そのデータはいつ欲しいのか?
それは、給料を計算する前です。

 タイミングは会社によって異なりますが、すでに周知されていると思います。
「締日」という基準日があって、一ヶ月間の労働時間を「出勤簿」や「勤務報告書」などとして「毎月提出」するのが一般的です。
 経理などの担当者は、その報告書をもとに「給料を計算」することで皆さんに給料が支払われるわけです。

工数管理の情報が欲しいタイミング

 工数管理の情報が欲しいのは、「利益を求める人」でした。
利益を求める人が工数管理のデータが欲しいのはいつか?
それは、「利益を求めること」を考えたいときです。
とっても漠然としていますね。

 たとえば、所属長が「気になったとき」「時間があるとき」「資料を作るとき」などに必要です。
つまり、常に必要、と押さえておけばよいのです。
常に工数管理の情報を用意しておくというのは大変なことに思われるかもしれませんが、プロジェクトで何か問題があってから分析する、というのでは所属長としてちょっと頼りないですよね。

 だから、少なくとも「一週間ごと」には作業の報告はあったほうが良いのです。毎日、作業の内容を把握する必要がある現場では「日報」という形で報告を上げたりもしますね。

勤怠管理と工数管理を同時にできるアプリを作った3つの理由

 勤怠管理と工数管理を同時にできるアプリを作った理由。
それは「リーダーがスキルアップ」できて「すべての社員にメリット」があって「利益につながる」アプリを作りたかったからです。

リーダーのスキルアップができるアプリを

 これまでのお話で、勤怠管理の情報と工数管理の情報、どちらも欲しい人がいましたよね。
そう、「所属長」さんです。
ここでは、リーダーとしておきます。

 リーダーはプロジェクトで利益を出すために工数管理の情報が必要です。でも、それだけではないのです。

 勤怠管理の情報、つまり「スタッフがどのように働いているかを監督」するための情報も必要なのです。
勤怠管理の情報は、法的に問題のない働き方をさせるために必要なデータでした。
では、なぜ法的にそうなっているのか?
「健全」に働かせるためです。国民を健全に働かせるために法的に決められていることなのです。

 健全に働く。そもそも、法的に決められるまでもなく、社員の能力を存分に発揮させるためには必要なことですよね。

 社員が能力を遺憾なく発揮できたら、当然、作業の効率も上がります。
良いアイデアも出てくるでしょうし、チーム、現場のムードも良くなります。
利益をどんどん出せるような活気あるチームが作れるのです。

 このように「勤怠管理も工数管理もできる」ということはリーダーのスキルアップに大きく貢献できることなのです。

すべての社員にメリットがあるアプリを

 そしてもう一つ、「すべての社員にメリット」があるアプリを作りたかったから。
当アプリでは、出勤簿にデータを入れるだけで、勤怠管理として必要な報告書、工数管理として必要な報告書、その両方を出力できます。
もちろん、データなのでそれらを自動で集計する機能もいろいろと備えています。

 これまでお話したように、勤怠管理と工数管理とでは、その情報を欲しい人、欲しいタイミングが異なるのです。
そのため、勤怠管理の書類と工数管理の書類を上げるタイミングがバラバラなのです。

 当アプリでは、提出タイミングのスパンが短い「工数管理」を基準に「勤怠管理」ができるアプリとなっています。
工数管理に必要なデータを入れながら勤怠管理に必要なデータも入る、という仕組みです。

 思い出してください。工数管理に必要なデータとは、勤怠管理に必要なデータに「作業内容を追加」したものです。
つまり、大は小を兼ねるという考え方で言えば、工数管理のデータを利用して勤怠管理を行う、ということが可能なのです。
 アプリに勤務時間や作業内容さえ入力しておけば、いつでも完ぺきな勤怠管理データと工数管理データを渡すことができるのです。

利益につながるアプリを

 ところで、リーダーにとっては工数管理において「あるある」な問題があります。
「工数管理の報告は軽視されやすい」ということ。
そもそも、報告書が上がってこない、上がってくる報告書に熱量がない。
これは、工数管理の目的意識のギャップによるものです。

 よほど戦略的なリーダーでない限り、工数管理の重要性を意識していることすらないでしょう。
しかし、利益を出すには、やはり冷静な分析が必要です。
分析なくして今後の見通しも立たないですし、そもそも見積もりをすることも困難です。
見積もり根拠となるものが、これまでの工数管理の実績なのですから。

 当アプリは、この「作業報告書が提出されない問題」を解決するために生まれました。

 長くなるので詳細は割愛しますが、当アプリの開発のきっかけは「開発者本人が作業報告書の提出を1年くらい溜めてしまったこと」です。
勤怠管理としての勤務報告書は給与に関わるので提出しますが、作業報告書は催促されることもなかったのでついつい提出を怠ってしまったのです。

 プログラマーとしては1年近く溜まった作業報告書を今さら手書きなんてできません。
そこで、作業報告書を量産するためのアプリを作りました。それが当アプリ開発の発端となった出来事です。

 それにしても勤怠管理の書類は出すけど工数管理の書類は出さない。
この問題のキモは、提出する側の必要性の意識です。
給料に関わるものは、タイミングも必要性も意識しやすい。
しかし、工数管理の情報は「リーダーが分析に使うから」と言われてもピンときません。
いつ出したら良いのやら、どんな情報が欲しいのやらわからないのです。

 であれば、いっそ、どちらかが「ついで」に提出できる状態になればどうか。
勤怠管理の報告書をつくるついでにちょちょっと作業の内容も入れられる、そんなアプリがあればどうだろう。
すごくかんたんに入力できれば、作業の内容も入力してもらえるのではないか?
 そんな流れで当アプリは開発されました。

 これにより、「作業報告書が提出されない問題」が解決され、「利益につながるアプリ」は誕生することとなります。

おわりに

 勤怠管理と工数管理ができるアプリ。
ことばで言えばそれだけのことなのですが、そこに至った道のりにはこのような経緯がありました。
ただ単純に「2つの機能があったら便利でしょ?」ということではない、開発者の思いについてご紹介させていただきました。

 長い文章をお読みいただき、ありがとうございました。

(ご参考までに)当アプリのメリット

当アプリでは、勤怠管理と工数管理において以下のメリットがあります。
これから使ってみようという方はご参考になさってください。

<社員側のメリット>
・勤務時間など重複する入力をしなくてよい。
・提出を求められたら工数管理としての報告書がすぐに出せる。
・毎月の勤務報告書がすぐに出せる。

<リーダー側のメリット>
・通常なかなか手に入れられない「工数管理のデータ」が手に入る
・工数管理だけでなく勤怠管理のデータも閲覧できる
・分析ツールを使って黒字に向けた分析ができる

<経理側のメリット>
・勤怠管理の書類を遅れずに出してもらえる。
・勤怠管理のデータが自動で計算される。
・残業時間だけのデータ集計がある。